不機嫌な君
…それから、金崎部長と二人きりになることは皆無。私から好きだと言うことも出来なくて…金崎部長からの好きなんて、聞けるはずもなかった。

今日も1日仕事が終わり、帰り支度をする。…今日は、葉月さんは圭介さんと結婚式の打ち合わせとかで、一緒に帰ることは出来ない。

一人寂しく会社を出ると、私は目を見開いた。…、悠斗さんがいた。
しかも、私に気づくなり、こちらに向かって歩いてくる。

…あの日以来、悠斗さんとは連絡も無く、会うこともなかった。

2人の関係は曖昧なまま。
今日こそ、ちゃんとお断りして、納得してもらわなくては…。

「久しぶり」
その言葉に頭を下げる。

「…今から少しいいかな?」
「…はい、私もちゃんと話さないとって思ってました」

「…飯は?」
「…いえ…」

「そう…じゃあ、そこの喫茶店に入ろうか」
その言葉に頷いた。
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