インナーチルドレン(かわいい金魚番外編)
男の子が、純を見上げる。



何かを訴えかける、瞳。



この目が何を言いたいのか、わかってしまうことが、また面倒くさい。



「また、声をかけたいやつがいんのか?」



純の言葉に。



男の子が、こっくりと頷く。



人見知りのくせに。
何度も他人に裏切られたくせに、この子供はちっとも懲りようとしない。



それでも、この子供の望みを無視して、悲しませることが、どれだけ後味が悪いか、純は身にしみてわかっているから。




< 4 / 28 >

この作品をシェア

pagetop