インナーチルドレン(かわいい金魚番外編)
もう、俺なんか死んだって構わない。



そうやさぐれていたある夜、子どもの泣く声が、いやに耳についた。



最初は、声だけだったんだよな。



思い出しかけたとき、男の子が、純の前に戻ってきた。



小さな手で、しっかりと女の子の手を握っている。



泣いている女の子。


それも、大声を出すわけではなく、唇を噛んで、しゃくりあげるのを必死にこらえて泣いている。



よっぽど、小さい頃から押さえつけられていたのかな。




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