鬼姫マラントデイズ
けれど信じ続けて探し求めていたんだ。





「…霧花、僕と同じぐらいの年で…

信頼できる相手と出会ったのは、2人目だよ」




きっと、1人目は律希なのだろう。


律希に顔を向けると、少し笑っていた。





「…けどね、やっぱりこんな能力いらなかった。

周りから求められるハードルの高さ。

周りから向けられる本当の心。


知らない方が良かったことだって、


全て知ってしまうんだ。




こんな変な能力…いらなかったよ………!」






平井…先輩………





「僕は…本当に最低な人間だよ。

いや、人間じゃないのかもしれない。


化け物だよ…人の心を読んで、自分を安心させたりして…」






気付けば足は動いていた、目の前の1人掛けソファの座っていた先輩の元へと。






「…そんなこと、言わないでください」








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