鬼姫マラントデイズ
「だから…お願いしますっ……



自分をそんなに、卑下しないでくださいっ…!」





抑えていたはずの涙はこぼれていた。


私が泣いていいものかも分からないのに…無責任な涙だ。





「平井先輩のおかげでこの学園はまとまっている、私はそう思います。


それに……




私は平井先輩のこと、純粋に、心の底から好きですよ」






そう言って、私は笑った。


平井先輩は右目を押さえたまま、どこかぼーっとした様子で私を見ていた。





先輩。

心配しないでください。


先輩は素敵な人ですから。









…静かに、先輩は笑った。






「…そんなこと言ってくれる子、初めてだよ」




実際は言ってないのだけれど、ね。



ふふ、と笑うと、隣にいた金鞠もニコニコしていた。


律希もどこかホッとした様子でいた。









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