鬼姫マラントデイズ
≪第3章≫活動

活動のゼンボウ

「じゃあねー!」


「うん、バイバイ!」



凛は今日家の用事があるとかなんとかで、SHR後すぐに教室から出て行った。



さてさて、私も金鞠が待っている我が家へと帰りますかな。


気付けばいつの間にかクラスの大半が残ることなく帰っていった。


…それもそのはず、

今日は学園の敷地内にあるカフェでイベントがあるらしいからね!



私も行きたかったけど、月に1回そのイベントみたいなのはあるらしいから、次の機会に、って思ってる。





「あ、霧花ー!」



「んー?」



声をした方へと向くと、そこにはうちのクラスの新・学級委員長。


キレイ系な見た目に、明るい性格…だけじゃなく頭も良いらしく、

何人かの子に推薦されて学級委員長になった。



クラスにはもう1人の男子の学級委員長とその子、そして男子3人が残ってるだけだった。






「なんかイケメンが呼んでるよ!廊下!」



……え?

い、けめん…?



「霧花いつの間にやったねえ、

確か5組の一ノ谷君でしょー?」



ニヤニヤ笑いながら言う学級委員長。


………はあぁぁ⁉︎



「あ、ありがよ!」


噛んでしまって笑われたのにもお構い無しに、私はすぐに廊下を覗く。



「……遅い」


「……なんで来た、バカおんみょ…」



その刹那、私の口がバカ陰陽師の手で塞がれる。


行動速いんだよ無駄に!



「むーっ!んんんー!」


「陰陽師なんて言葉、軽々しく言ったからだっつの」




バカ鬼、と耳元で囁かれた後に口が解放された。


ぷはあぁぁー…


生き返った。





「…で、何の用事?

今日はたまたま運良くみんないないけど…

いつもだったらあんたのせいで目立つんだからね」



「要件なんだけど…」




無視か!こいつ、絶対反省してない!



…まあ、霧花ちゃん大人だから黙っといてあげよう。




「今すぐ旧校舎行くぞ、スクバは持ってるな…来い」



「うんうん、分かった分かったあんたのいうとーり…って、え?」



気付けば右手を握られ、かつ引っ張られてる私。


……こんのバカ陰陽師、なに走ってんだ!




「廊下は走っちゃいけないんだよ⁉︎」



「誰もいないっつの」




け、けどちょっとでも速さ緩めたら…


私が引きずられるだけだって!




容赦ナシの走りに、私は持ち前の体力でついていく他なかった…






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