sparkling night
「私も連れて帰ってよ。」

じっと見つめてそう言った。

普段こういうことを言うキャラじゃないけど、自分から話しかけた手前
強気でいきたかった。

「すっげー大胆なこと言ってるって気づいてる?」

「え?」

「連れて帰ってとか期待しちゃうよ?」


今更ながら、自分の発言に恥ずかしさを覚えて、はっと我にかえる。
でも、何かこの先を私も期待しているのかもしれない。
引き下がる気もなくて、もう一度彼を見た。

ふふっと彼は笑った。
「俺のこと誘ってんの?」
ふぅーっと煙を吐き、
タバコの火を消した。

「いいよ、連れてかえって欲しいならご希望通りに致しますが?」

いつの間にか縮まっている2人の距離。


「名前は?」

「奈々」

鼻と鼻が触れそうでふれない。
余計にドキドキする。


この距離がもどかしくて、
早くそうなって欲しくて、
焦れったい。

「俺は太一。
よろしくね、奈々ちゃん。」


そして、触れる唇。

優しいキス。


ミラーボールの光を少しだけ浴びるこの場所。

まだまだ夜は終わりそうにない。
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