花の下に死す
 佐藤義清を誘ったのだが、行くと約束してちっとも訪れない。


 そんな義清が月の明るい夜に、堀河の家の前を素通りしたと知って詠んだ歌。


~西へ行くしるべと思ふ月影の空頼めこそかひなかりけれ~
(西へ行く道しるべと頼りにしていた月の光は、あてにならなくてがっかりだわ)


 義清の返歌。


~立ち入らで雲間に分けし月影は待たぬけしきや空に見えけむ~
(立ち入らずして雲間に分け入ってしまった月は、あなたが待っていた景色を雲の上で見せていることでしょう)


 「西へ行く」とは、極楽浄土へ向かうという意味を持つことに加え。


 佐藤義清の出家後の名前「西行」(さいぎょう)にかけて詠んだ歌である。
< 102 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop