花の下に死す
 「これ以上迷惑をかけないでもらいたい。尼寺は余が手配する。それがそなたへの最後の贈り物だ」


 最終通告。


 つまり鳥羽院は、璋子を見捨てる……?


 「院、どうかお考え直しを。待賢門院さまは悪くありません。咎は私一人に」


 義清は再度嘆願した。


 「そなたは気が狂っておる。気が狂っておる者の言葉など、余がまともに受け取ると思うか?」


 「……」


 「そなたのせいで、璋子も気が狂ってしまったようだ。ゆえにもう御所には置いておけない。出家して静かな暮らしの中で、正気を取り戻してもらう所存だ」


 そう言い終えた瞬間、鳥羽院は歩き始め、義清の脇を通り抜けた。


 「院! お考え直しを……」


 再度すがろうとした際に、義清が見たものは……。


 「……!」


 その時義清は動きを止めた。


 鳥羽院はそのまま歩き去り、得子も後に続いた。


 ……。


 「義清どの」


 背後から堀河が近づき、義清を制した。


 「察してくださいませ。院はあのような冷たいお言葉ではありますが、璋子さまと義清どのを破滅からお救いになったのですよ」
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