夜空の琥珀
 
「私にもよくわからないの。ごめんなさい……」



 若葉くんがピクリと身じろぐ。

 それからため息が聞こえて、声音は少し高くなった。



「ちょっと意地悪すぎたね。そんな顔をさせるつもりじゃなかったんだ。……ごめん、言い方が悪かった」


「え?」


「朝からおかしいなって思ってたんだ。全然話しかけてきてくれないし、どうしてなんだろうって見たら上の空で、ほっとけなくて……。

 ……いくら心配でも、無理に聞いちゃいけないよね」



 若葉くんは笑ってる。

 なのに胸が痛くなったのは、それが切なそうな笑みだったから。
 
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