課長さんはイジワル2
「私も手伝います!」


急いで課長の後に続こうとする。


「えーー!いいよ、愛ちゃんは。料理は佐久間に任せて、こっちに来て俺たちと話そうよ」

「でも……」

「こっちはいいよ。手が必要になったら呼ぶから。
話してきたら?仕事の話とか、仕事の話とか……」


課長ってばさり気なく嫌味で応酬。


「うわぁ~。勘弁してよ。ここに来て仕事の話なんかしたくもないって!なぁ、吉田?」

「俺はどっちでもいい」


吉田さんって、仕事でレートを貰いに行くときくらいしか話したことないけど、結構、「不思議君」。


吉田さん達がソファに腰を下ろし、私がテーブルを拭いていると、やがて、軽快にまな板を叩く包丁の音が聞こえてくる。


「佐久間料理長!ビール3杯ね!」

「……刺すぞ」


課長が包丁を目の高さに上げて、押尾さんに睨みを利かす。


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