課長さんはイジワル2
道理で見つからないはずだ。


海江田医師や澤村社長のつてを辿って、病院に問い合わせても「佐久間要」課長の行方は見つけられなかった。


でも、今はここにいる。


課長の胸に頬ずりする私の頭を課長が撫でる。


「まだやらなくちゃならないことは山ほどあるんだ。
既に発症して進行が進んでしまったALS患者の機能を取り戻すためにも、新たな研究を始めた……。だから、しばらくは日本に帰れそうにない」

そんな!
体を起こすと、課長が「ごめん」と私の頬に手を添える。

「しばらくってどれくらい?」

「1年か……5年か……10年か……もっと先か……」

「そんなに!?」

「ごめん」


私はポフッと課長の胸に倒れ込む。


「……でも、いいや。帰って来てくれるよね。今みたいに」

「愛が許してくれれば」

「許すも何も、待ってるから」

「……ごめん」

「もうっ!課長ってば謝ってばかり!」

「ごめ……」

「ほら、また」


それから私たちはまたベッドで抱き締め合いながら、笑った。


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