約束ラバーズ


「にしても、ちょっと本気過ぎるね。」


本を閉じて、隣でうなだれる茶色のミディアムヘアを見つめた。



「そんなに焦る事ないよ。

亜希にはきっと素敵な人が現れるから。」



『ジローくん…どうやったら両思いってなれるものなの?』


はぁ。

小さくため息をついたと同時に、

春のそよ風が、さぁっと音を立てて通り抜ける。




…春だなぁ。

「無理はせず自然に任せてみたら?

きっと亜希なら大丈夫。」


ちらりと亜希を見る。


『そっか!そーだよね!』


亜希は快晴の空に向かって、気合を入れなおす。

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