約束ラバーズ
嘘と夏休み


『ーーあと、夜遊びなどはしないように!』

先生の声が長い話の終わりに、そう付け加えた。


続いてチャイムがなる。


その音と同時に、始まる。



『夏休みだね!

ジローくん!!』


放課後の玄関。

亜希が満面の笑みで覗きこんでくる。


「そうだね。」

僕も笑顔で返す。




すると、背後から声がした。

『笠寺さん!』


そちらを見ると、金山さんが立っていた。

『ちょっと、いいかな?』


あれから、金山さんとは会っていなかった。



亜希は、僕を見つめる。

「行っておいで。

待ってる。」


『うん!』

亜希は頷き、走って行く。


二人の姿が消えた。

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