約束ラバーズ
『ジローくん…』
「亜希…」
薄黄色の浴衣を着た亜希は
髪の毛を綺麗に編みこんで片側の耳元でお団子にしている。
4人の間に沈黙が流れる。
口を開いたのは金山さんだった。
『これから、お祭回るの。
もう行くね。』
『う、うん、また…』
亜希が答える。
金山さんが僕の手を引き、歩き出す。
2mほど歩を進めたところで振り返る。
「亜希、」
気付けば彼女の名前を呼んでいた。
綺麗に編み込まれた髪。
亜希が振り返る。
「浴衣、とても似合ってる。」
微笑む。
亜希が目を見開いた。
向き直り、また歩き出す。
金山さんは僕を見つめたまま立ち止まっている。