約束ラバーズ
『やっぱりそうなのね。
この間、亜希と電話したの。
びっくりでしょ、電話が苦手な亜希からめずらしくかけてきたの。
亜希ってとってもわかりやすいよね。』
彼女はふふっと笑う。
「僕と喧嘩したって?」
『いいえ。
亜希に聞かれたの。』
「何を?」
彼女を振り返る。
まっすぐこちらを見据えて答える。
『私の“ずっと”をあげたい片思いの人がいるけど、
その彼は“ずっと”を信じない人なんだって。
亜希らしいよね。
中学の時、すごく有名な話だったけど、
未だに引きずってるなんて。』
ふっと綺麗な切れ長の目が笑う。
『女の子には色々あるんですよ。』