花と死(後編)
「リコリスさんとクララと私で捜索したもん。」
シエリアがシャルドネの後ろから顔を出す。
「メイヒェンの幹部との接触。そして、ヴォルフラムはサタンというものと同一化し、消滅。……報告ではそう聞いている。」
シャルドネは眠っているヴォルフラムを見遣る。
「さぁな。転生はもう出来ないと聞いたことがある。……だが、姿が男に戻っている上に生きている。」
クラウジアは夢の中にいるのかと頬を抓った。
痛かったらしく、ひとりで無表情ながら呻いている。
「生きている。ならば、文句はない。」
クラウジアはヴォルフラムに歩み寄り、頬を寄せる。
「あたたかい。」
温度を確認して、微笑んだ。
「その男から後で事情を聴く。」
シャルドネはそう言うと踵を返す。
「まってー!」
「まってくださーい!」
シエリアとリコリスは去った。
「フラン。」
クラウジアの呼び声でヴォルフラムは目覚めた。
「……クラウジア。」
優しい声音で呼ぶ。
頬を撫で、目を細めた。
窶れた顔。
泣き腫らしたような瞼。
目の下には隈がある。
「済まない。」
「許さない。」
即答だ。
「……ずっと、ずっと居てくれないと、許さない。」
そう言ってヴォルフラムを抱きしめた。
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