Ri.Night Ⅰ 【全完結】
どうしよう。正直に話した方がいいのかな。
でも……。
「凛音、腹痛だってさ」
「……腹痛?」
黙り込んだあたしを見かねたのか、ゲームをしながら助け舟を出してくれた陽くん。
「朝からずっとこんなんだよ」
そう付け加える陽に、十夜は一瞬間を置いて「そうか」と頷いた。
……ふぅ。
いつものように目を閉じたのを横目で確認して、心の中で溜め息を吐き出す。
……良かった。納得してくれて。
今の説明がなかったら絶対問い詰められてたよ。
陽のお陰だね。
ありがとう。陽きゅん。
一件落着したところでシートに背中を預け、天井を仰ぐ。
目を閉じれば、浮かび上がるのは手紙のこと。
──今日一日、色んな事を考えた。
出た結論は、三日前、あたしを階段から突き落とした犯人と、今日の手紙の差出人が同一人物であるという事。
いくら考えても行き着く答えはそこだった。
だって、タイミングが良すぎるんだもん。
こんな短い期間の内に同じ言葉が使われるなんて、そんなの疑ってくれって言ってるようなもんでしょ。
でも、もし同一人物だとしたら十夜達に言った方がいいよね?
もしかしたら、犯人は中田側の人間かもしれないし。