Ri.Night Ⅰ 【全完結】


階段から落とされた日の三日後に入っていた手紙と、水溜りに突き飛ばされた翌日に入った手紙。



これで繋がった。


手紙の差出人はあの女の子達に間違いない。




っていうか、十夜達と離れないと痛い目に遭わせるって、何であたしがこの人達に指図されなきゃいけない訳?


一人じゃ何も出来ないくせに偉そうに言わないで欲しい。



こうなったら、絶対に犯人突き止めてやる!






……と意気込んだものの、そう上手く事が運ぶ訳がなく。


女子生徒だという事しか手掛かりがないあたしはなかなか犯人を割り出せないでいた。




階段から突き落とされてから早三週間。


鳳皇という壁を掻い潜ってあたしが一人の時を狙ってくる女達。


隙を見ては嫌がらせをしてくる女達にやられてばかりじゃいられないと応戦したけれど、未だにその顔は拝めていない。



『いい気になるな』

『早く離れろよ』

『ブス』



すばしっこいくせにきっちりと一言残して行く女達に最近では苛立ちを通り越して感心さえしていて。


もう、どうにでもしてくれって感じだ。





『それ、どうしたんだよ』



倉庫に帰ったら帰ったで十夜達からの質問攻めが始まり。



『……えへ』


『り~の~』



“転けた”“落ちた”の言い訳を繰り返すあたしに、聞かれる度鬼よりも恐い煌様が降臨した。


女達には嫌がらせされ、煌には怒られ。


もう、踏んだり蹴ったりだ。

< 237 / 374 >

この作品をシェア

pagetop