Ri.Night Ⅰ 【全完結】


流石にこのままではあたしの身が持たない。


そう思ったあたしは、対策を練ろうとした。




女達の行動パターンは毎回同じ。


あたしに何らかの危害を加えた翌日には必ず机に手紙を入れにくる。


それが分かっていたから、手紙が入れられる日の朝、早めに学校に行ってとっ捕まえてやろうと思ったけど、朝は十夜達が迎えに来るから無理だと気付き、仕方なく諦めた。


「用事があるから」なんて言おうもんなら絶対に理由を聞かれるし。


理由なんて、言える訳がない。


だって、これはあたしの喧嘩だから。


それに今、あたしに構ってる余裕なんてないだろうしね。



実はあの日から、頻繁に中田が目撃されている。


十夜達はそっちに忙しくて、最近は全員一緒にいる事が少ない。


煌情報だとbladeはどこかのチームと手を組んだらしく、溜まり場が定まってないから捕まえにくいんだとか。


十夜は倉庫を空に出来ないから居る事が多いけど、どうしても行かなきゃいけない時は代わりに誰かが倉庫に居る。



あたしはただ倉庫に“居るだけ”で、何の役にも立っていない。


それが腹立たしくて仕方なかった。



十夜達の役に立たない事も。

女達をつきとめられない事も。


どっちも自分の事なのに、何も出来ないのが悔しい。



せめて女達だけでもどうにか出来たらいいのに。


気が付けばそんな事ばかり考えていた。


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