Ri.Night Ⅰ 【全完結】
「皆、ごめん、先帰らせて貰うね」
両手を合わせて謝れば、皆笑顔で「良いよー」と了承してくれて。
でも、反応のない人が一人だけ居た。
「十夜?」
あたしをガン見してるくせに何故か無言の十夜さん。
ピクリともしない十夜に顔を顰める。
まさか……。
「目、開けて寝てるの?」
器用だね。
「おま、それはねぇだろ!」
あたしの一言に何故か噴き出す三人。
壱さんは口元を押さえて笑うのを堪えていた。
いやいやいや。あたしそんな爆笑するような事言ったっけ?
「お前と一緒にすんな」
「はぁ?」
突然の反撃に素頓狂な声が飛び出す。
「一緒にすんなってあたし目開けて寝てないし!」
「開いてた」
「あーそう。……って、開いてたの!?」
「あぁ」
「嘘っ!?」
「嘘」
どっちだよっ!!
子供染みた反撃にキッと睨み付けると、フンッと鼻で笑われて。
「十夜のバーカ!いーっだ!」
本日二回目のいーっをしたあたしは、教科書を鞄に押し込み、勢いよく立ち上がった。
そして、壱さんの服をムギュッと掴んで、「壱さん送ってください」とお願いする。
そんなあたしの行動に壱さんは一瞬驚いた顔をしたけどすぐ笑顔になって、
「凛音ちゃん家までドライブデートしよっか!二人で!」
何故か十夜を見ながらそんな提案をしてきた。
「えっ、ちょ、壱さん!?」
「行こっか」
返事をする暇もなく壱さんに腕を引かれ、玄関へと向かうあたしと壱さん。
さりげなく荷物を持ってくれるジェントルマンな壱さんに感動しながら皆に「バイバイ」と手を振ると、こっちをジッと見据える十夜と目が合った。
何も言わない十夜にベッと舌を出してリビングから出る。