Ri.Night Ⅰ 【全完結】

その行動に少しイラッとしたけど、敢えて何も言わずにスルー。

あたし大人だからね。うん。



「あのぉ……、今から此処に来るって言ってるんですけど此処じゃ目立つので裏門でもいいですか?」

「裏門?え、何?あの人達もう帰ってるの?早っ!」



もしかしてサボってたとか?

そういや陽もホームルームにはもう居なかったし。不良だからサボるのは別に珍しくないか。


ウンウンと数回頷き、自己完結。



「裏門に来てくれます」とストーカー君が言うのでそれに従い着いて行く。



「ねぇねぇ、喉渇いたからさ、自販機寄ってもいーい?」



取り敢えず移動しなければ、と思ったけど、その前に水分補給。

文句言わなきゃなんないしね。

口がカラカラじゃ何も言えないし。



行く途中にある食堂へと立ち寄り、お気に入りの梅昆布サイダーを買って飲みながら裏門へと向かう。


一人で飲むのもなんだから、ちゃんとストーカー君にも買ってあげた。






裏門へ着いた時にはまだあの人達の姿はなく。仕方ないからあの人達が来るまで校舎に凭れて待つ事にした。



まぁ、当然と言えば当然だよね。
自販機に寄って言っても所詮校内だし。


こっちの方が早く着くのは当たり前だ。






時間にして大体五分ぐらい経った頃、裏門の前に一台のセダンが停車した。



「来た?」

「あ、アレそうです」



アレって……。


仮にも自分のチームの総長。

それを“アレ”呼ばわりするストーカー君はある意味凄いと思う。
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