彼はあの子の婚約者
莉緒の誕生日次の日、(4月24日)
学校に行っても、莉緒はいなかった。



昨日のことで僕にもう、
会いたくなくなったんだろうか……



今日は、いつもなら
寄ってこない女子達がやたらと
寄って来て、正直疲れた。



莉緒がいないからか?



放課後まで、べったり女子達の
勉強を見たり、
話相手になったり
手伝ったりと
お相手をさせられ、
家に帰った頃には、僕は
くたくただった。



莉緒今頃何してるかなー



ふと、考えてしまう。
女子達と話してる時も、いつも
頭の中には莉緒がいた。



なんだか、急に寂しくなった。


莉緒と付き合い始めてからは
そんなこと思わなくなったのに……


お父様とお母様は
僕の幼い頃からずっと、
仕事で、あまり家にいなかった。



代わりに執事とメイドがいた。
でも、やっぱり寂しかった。



そんな毎日も莉緒と
付き合い始めて変わった。



その日の寂しさよりも
次の日への期待があった。



なにより、莉緒のお弁当



莉緒が僕のために毎日作ってくれて
それが、最高だった。



でも、昨日で最後だったのかな…
今日は学校にも来てなかったんだから…



仕方ないよね…
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