貴女は信じますか?
「これだよな、その人形って。あの葬式の時に見た人形」
健吾の家に入るなり緒方がその人形に顔を近づけそう言った。
「夏美、本当に夏美なの?あ!」
しおりが優しくその人形に語り掛けるようにそう呼び掛けたその瞬間、人形の目から涙のような物が一筋流れ落ちた。それを見た緒方は流石に何も言えなくなってしまった。
「やっぱり夏美なのね?」
しおりはそう言うと泣きながらその人形を手に取り両手で抱えるように優しく抱き締めた。
するとその人形の目から次から次へと涙が流れ落ちて来た。
「健吾、俺も実際こんな事があるとは思わなかったけど、間違い無くこの人形には夏美の魂が乗り移ってると思う、だってそうとしか考えられないよ」
そして少し冷静になった三人は顔を見合わせ今の不思議な出来事を話し合っていた。しおりは大事にその人形を胸に抱えたままだったがしおりに抱かれてから涙は止まっていた。
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