問題児のヒミツ[短編]
「あー、日南こんなとこにいた」
頭上からそんなのんきな声がする。
間違いない。
むくっ、と上半身を起こして、おでこをさすりながらそいつを睨み付ける。
「鈴谷……!」
後ろからは、お?噂の彼氏か?お?という小声が聞こえてくる。
あとで叩いてやる。
「何か用?」
「なんでそんな喧嘩腰?お前を探してたのに」
「探されたくなんかないんだけど」
ていうか非常に頭が痛いんだけど。
鈴谷に関わるとロクなことになんない。
「花凛、帰ろ……」
痛っ……。
「みや!?」
立ち上がった途端に頭にさらに激痛が走り、あまりの痛さにあたしは倒れてしまった。
コンクリに叩きつけられる間一髪のところで、花凛が支えてくれたみたいだけど。
意識が朦朧として、そのまま目を閉じてしまった。