2人だけの秘密。
「え、ほんとですか!?やだもう店長ってばぁ~」
「……」
何を話しているのか詳しいことはわからないけれど、二人は何やら楽しそうに盛り上がっている。
夏木さんはそう言うと、さりげなく修史さんの肩に触れた。
……これがいわゆるボディータッチってやつか。
何だか本当、イライライライラしてくる。
そんなことを思いながら何とか平然を装って仕事を続けていたら、そのうち用を済ませたらしい夏木さんがやっと事務室を後にした。
………仕事中は、いろいろと辛い。
……………
その後はやっと仕事が終わり、あたしは残業があるらしい修史さんに軽く声をかけてから店を後にした。
本当はもっと堂々としていたいけれど、修史さんはまだ仕事だし、それに周りの目もあるからそれがなかなか出来ない。
…夜、メールしてくれるかな…。
あたしはいつも通り徒歩で自分のマンションに帰宅すると、尚も修史さんのことを考えながら玄関の鍵を開ける。
そして、疲れた身体でため息を吐き、見慣れたそこに入ろうとした。
…―――しかし、その時。