2人だけの秘密。


******



翌日。



早番で出勤すると、開店前の売り場には絵里奈と吉河さんがいた。

夏木さんは今日は確か遅番で出勤する日で、修史さんは事務室で仕事をしているのか、売り場には見当たらない。

絵里奈はいつも通り普通に話しかけてくれるけど、吉河さんはさっきから目すら合わせてくれず、完全に避けられている。


………ま、いいけどね。



その後は朝礼を済ませると、皆で開店の準備をした。




……………




それから数時間後、事務室で商品の発注書を書いているとそこへ夏木さんがやって来た。

夏木さんは同じく事務室で仕事をしている修史さんに話があるらしく、何やら商品の資料を見せながら話しかけている。



「店長、」

「うん?」

「これのことなんですけど―――…」



「……」



あたしは普段ならあまり嫉妬はしないけれど、何故か今は話している二人がなんとなく嫌だ。

………仕事だから仕方ないってわかってるのに。


それでも平気なフリをしていたら、夏木さんが嬉しそうに言った。


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