2人だけの秘密。


広喜くんは暗闇でそう言うと、あたしの着ている衣服を乱暴に剥ぎ取っていく。

あたしはその手を必死でやめさせようとするけど上手くいかず、それでも抵抗していたら突如左頬に張り手が飛んできた。



「!!…っ、」

「大人しくしてないと、また殴るぞ」



広喜くんは低い声でそう言うと、そのまま行為を再開させる。

あたしはというと、その鋭い痛みに思わず左手を添えて涙を流す。



っ…修史さん…。



……左頬は、修史さんがよく優しくそっと触れてくれる場所なのに。

広喜くんはやっぱり、全然違う。違いすぎる。


でもこれ以上は怖くて声をあげることも出来ないあたしは、真っ暗闇のなかまるで悪魔のような広喜くんに結局ずっと抱かれた…。







修史 side



夜23時。やっと残業が終わった。

俺は夏木ちゃんや絵里奈ちゃんと一緒に店を出ると、独り車に乗ってタバコにライターで火をつける。

窓を開けてしばらくタバコを吸っていたけど、ふいに鏡子の声が聞きたくなって携帯を取り出した。



………でも。


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