2人だけの秘密。
「?」
「すげー悔しい、」
「…」
「何で、鏡子がこんな目に遭わなきゃいけねぇの」
修史さんはそう言うと、あたしから身体を離して目を合わせた。
だけどその目は凄く悲しそうで、その瞬間また罪悪感が込み上げる。
その言葉にあたしが何か言おうと口を開いたら、修史さんがそこから立ち上がって言った。
「……風呂、借りるね」
「修史さっ…」
「ごめん。少しだけ、独りになりたい」
修史さんはそれだけを告げると、リビングを後にしてしまった…。
「…っ…」
その背中に、あたしは思わず不安を覚える。
このまま…もし、修史さんが離れてっちゃったらどうしよう…。
でも、「悔しい」なら大丈夫だよね?
…さっきの、修史さんの悲しそうな目が頭から離れない…。