2人だけの秘密。
そう言って少し沈んだ顔をするから、あたしは首を横に振って言う。
「修史さんが謝ることないです!悪いのはあたっ…」
だけどそう言うと、修史さんがそれを遮るようにして言った。
「ね、鏡子」
「?」
「今日のことを全部話してくれるのは、鏡子の中でちゃんと決心がついてからでいい。
でもその代わり、泣いてたのがもし本当にこの前の奴らが原因なら、それはちゃんと警察に言って、捕まるまでまた俺のとこで一緒に暮らそう?」
「!!」
「このまま泣き寝入りすんのは、よくないよ」
修史さんはそう言うと、またあたしをぎゅっと抱き寄せる。
その言葉にあたしは少し黙り込んだあと、やがて「…はい」と頷いた。
……やっぱり、あたしがこんなに泣いてたら何があったかなんて、だいたい予想がつくよね。
ごめんなさい、修史さん…。
そう思ってその背中に腕を回すと、修史さんが言葉を続けて言った。
「……なんかさ、」