2人だけの秘密。
敬語はもうナシにしよう、と俺が言ったのをキッカケに少しずつ敬語がなくなってきている鏡子。
そんな鏡子に少し安心しつつも、俺は仕方なくその場を離れた。
でも…その後すぐに、思い出したように振り向いて言った。
「…あ、鏡子」
「うん?」
「愛してるよ」
いつものように優しい口調でそう言って、ニッコリ笑う。
すると鏡子は俺の言葉に照れたように笑って、今日は珍しく鏡子からキスをしてきた。
「…あたしも」
「!」
「あたしも、修史さんのこと…愛してるよ」
そしてそう言って、また照れたようにニッコリ笑う。
…どこかで見たことのあるこの光景。
でも、どこで見たのかなんて正直この時はどうでもよかった。
どうでもいいくらい、鏡子といて俺は凄く幸せだった。
…………
それからの数時間もずっと鏡子と一緒にいて、甘い時間を二人だけで過ごした。
鏡子は眠たいらしくわりと早めに寝てしまったけれど、俺はその姿を後ろから優しく抱きしめて眠りにつく。
出来れば鏡子の夢をまた見たいな…なんて思いながら目を閉じたけれど、それはやっぱり今日も無理だった。
…別に夢にこだわるつもりはないけど、もうどれくらい鏡子の夢を見ていないんだろう…。