2人だけの秘密。


それだけが心配だったけど、なんとか我慢して無事に朝を迎えた。

鏡子は俺の部屋にいることにビックリして帰ろうとしたけど、まだ本来の目的を達成していない俺は慌てて鏡子を引き留める。

…ここで逃がすわけにはいかない。

なんとしてでも夢の中のことを鏡子と話さないと。


俺はそう思って、そのことを鏡子と話した。

鏡子は俺の言葉にビックリしているみたいだったけど、なんとか少しでも距離を縮めることが出来た気がする。


でも…


鏡子は俺が二日酔いの薬を持ってきた直後、慌てた様子で言った。



「い、家に今から友達が来るみたいなので、帰らないといけないんです」



その言葉に俺は静かに頷くけど、友達なんてきっと嘘だ。

…彼氏に決まってる。

わかっていたけどこれ以上引き留める理由がなくなって、その日は黙って鏡子を見送った。



見送ったけど…その数日後、またチャンスはやって来た。



どうやら、鏡子は彼氏とうまくいっていないらしい。

しかもいつのまにか別れたとかで、その元カレ君と仲間達が鏡子を襲おうとしているところを、俺が助けた。

その日にさらに鏡子との距離がぐっと縮まり、鏡子は俺の住むマンションにしばらく一緒に住むことになって…

ちゃんと付き合えるようになるまでは、鏡子に触れたいのを必死で我慢して毎日を過ごした。


しかし、そんなある日。鏡子が言った。



「目が悪いなんて、本当は嘘なんじゃないですか?

だって修史さんのその眼鏡って…




だて眼鏡ですよね?」




俺はその言葉を聞いた瞬間、正直この恋は「終わった」と思った。


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