2人だけの秘密。


でも、いくら考えたって答えは全く出ない。

誰かが教えてくれるわけもなく、どこかに答えが隠れているわけでもない。



ふいにテーブルに目を遣ると、そこには鏡子が置いていったらしい俺のマンションの合鍵。

その鍵の存在が、全てを告げていた。






サヨナラ







******



その日からは、仕事だけの日々が続いた。

鏡子がいなくなって、心の何処かで「いつかは帰ってくるんじゃないか」って期待してもそうなるわけもなく、未だに鏡子は帰ってこない。

そんな毎日を過ごしていたら、たまに他の女の子に言い寄られたりもしたけれど、俺は全てを断った。


…鏡子以外のコを、愛せるわけがない。




そして、鏡子と離れて月日が経ち、約二年が経った頃。




昼休憩に入ろうとしたら、そこへ絵里奈ちゃんが話しかけてきた。



「柳瀬店長」

「うん?」



その声に振り向くと、絵里奈ちゃんが言った。



「朗報です!」

「え、」




「鏡子の居場所がわかりましたよ!」



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