2人だけの秘密。
その瞬間バチッと合った視線に、あたしは思わず中に戻ろうと開けたドアを閉めかける。
「あ、き、休憩中失礼しました!」
だけどあたしのそんな行動を柳瀬店長がすぐに止めて、言った。
「え、どうしたの?お昼、食べに来たんじゃないの?」
「……そうですけど」
「じゃあ、隣来れば?」
柳瀬店長はそう言うと、自身の隣をぽんぽん、と叩く。
柳瀬店長は地面に座っていて、あたしはいつもと少し場所が違いながらも柳瀬店長と少し間をあけてそこに腰を下ろした。
う…なんか、気まずいな。
そう思いながら、若干震える手でお弁当箱の蓋を開ける。
その間に何やら柳瀬店長の方から視線を感じて、あたしは思いきってそこを見てみた。
「…」
「!?」
すると、やっぱり柳瀬店長はあたしを見ていたらしく、その瞬間またバチッと視線が合う。
「…いつも外で食べてるの?」
そしてふいにそんなことを聞かれたから、あたしはその言葉に頷いた。
「はい。この辺って、結構落ち着くんで」
「へぇ」
そこまで会話をすると、柳瀬店長はタバコを口にしてそれを吸う。
…なんか、柳瀬店長を見てると、「大人」って感じ。
広喜くんはタバコ、吸わないから。