2人だけの秘密。



柳瀬店長はそう言って立ち上がると、タバコを潰して裏口から中へと戻っていく。

だけどどうしても夢のことを聞いておきたくて、あたしはその背中を慌てて呼び止めた。



「あ、まっ…待って下さい!」



あたしがそう言うと、柳瀬店長は、



「…なに?」



って、あたしの方を振り向く。

そんな柳瀬店長に、あたしは物凄く緊張しながらも問いかけた。



「え、えっと…柳瀬店長、以前にあたしと何処かでお会いしませんでしたか?」

「え…」



あたしがそう聞くと、柳瀬店長は目をぱちくりとさせてあたしを見る。

なんだかその反応に恥ずかしくなってしまって、「やっぱあたしの勘違いでした!」って言おうとしたら、

それを遮るように柳瀬店長が今度は目を泳がせながら言った。



「さ、さぁ…知らないな」

「!」

「五十嵐さんの勘違いなんじゃないの?うん、」


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