2人だけの秘密。



「そう、ですか…」



あたしが柳瀬店長の言葉にそう頷くと、柳瀬店長はそそくさと仕事に戻って行った。


…じゃあ、気のせいなのかな。

でも、心なしか柳瀬店長の様子、ちょっと可笑しかったよね。

うーん、怪しい。気になる。


そう思っていたら…



「!」



ふいに、あたしの携帯が鳴った。

……電話だ。

こんな時間に電話がかかってくるのは初めてだから携帯を開くと、画面には「広喜くん」の名前が…。

その名前を見た瞬間嬉しさを感じて、あたしは慌ててその着信に出た。



「もしもし、広喜くんっ?」

「おー、鏡子お疲れ」



広喜くんが自分からあたしに電話をかけてきてくれることは、滅多にない。

ウキウキで広喜くんの言葉を待っていたら、電話の向こうで広喜くんが言った。



「突然だけどさ、今日の夜そっち行くわ」

「!!」



その言葉に、あたしは一瞬にしてその場に固まる。


広喜くんが珍しく自分からあたしと会ってくれる気になったらしい!

しかも二日連続で!

夢!?これ、夢かなっ!?



「うん、来て来て!ご飯作って待ってるから!」




しかし……


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