2人だけの秘密。


…………

…………



その後、広喜くんはあたしを抱いたあとすぐに帰って行った。

あたしは部屋の隅で独りぼーっとしたまま、動かない。



「……」



……わかってた。

本当は今日、抱かれてしまうことも全部。

でも、わかっていてもどうしても会いたかった。

広喜くんのことが好きだから。


でも……


あたしはさっきのことを思い出すと、広喜くんに叩かれた頬に手のひらをあてた。


叩かれたのは、初めてだった。

その頬は未だじんじんと痛んだまま、おさまらない。


…広喜くん、なんで…。


そう思っていると…、



「!」



突如、携帯に電話がかかってきた。


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