2人だけの秘密。


そう思いながら、広喜くんをぎゅ~っと抱きしめる。

甘えるようにそうしていたら、広喜くんは何を思ったのか突如あたしを床に押し倒してきた。



「!?…っ、広喜くん!?」



突然のことにびっくりしていたら、広喜くんはあたしの上に馬乗りになって言った。



「…待ってたよ、鏡子。電話してもなかなか出ねぇからさ」

「…?」

「あと10分とかで帰ろうかと思ってたけど、帰ってきたしラッキーだな」



広喜くんはそう言うと、ニヤリ、と妖しい笑みを浮かべた。


まさかっ…!



「っ…やだ、やめて広喜くん!」

「うるせーな。俺のこと好きなんだろ?だったらいいじゃんかよ」

「いや!昨日も言ったけどあたし今アレの日でっ…」

「うるせーっつってんだろ!」

「!!」



広喜くんは強い口調でそう言うと 、いきなりバシッとあたしの頬を叩く。


…その頬は、ついさっき柳瀬店長に触れられた頬。

思わず目に涙が浮かんだ。


……ちがう、

………柳瀬店長と全然ちがう、触れ方が。




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