2人だけの秘密。
その広喜くんの言葉を聞いて、あたしはこの前の電話で言われたことを思い出した。
…そう言えば、そんなこと言われてたな…。
いろいろあってすっかり忘れてた。
でも、そんなことを考えてる場合じゃない。
「っ…何で!?あたしと広喜くん別れたんじゃなかったの!?なのに何でそんなっ…」
あたしはそう言って嫌がるけど、広喜くんはそれを遮るように言った。
「でも、お前ドア開けてくれたじゃん」
「!」
「ちゃんと覗き穴見て、開けたんだろ?お前は必ずそうするもんな」
「だって、だってそれはっ…」
それでもあたしが首を横に振ると、広喜くんはめんどくさそうな顔をして見せる。
その態度にあたしがビク、と怯えていると、広喜くんが言葉を続けて言った。
「ごちゃごちゃうっせーんだよ」
「!」
「まだ俺のこと好きなんだろ?だったらいいじゃん」
そう言うと、仲間と一緒にあたしを部屋の奥へと押し込んだ・・・。