2人だけの秘密。
柳瀬 side
22時。
やっと残業が終わった。
今日も仕事だった俺は、一緒に残業をしていた絵里奈ちゃんと一緒に店を後にする。
ガチャガチャと鍵を締めていると、その横で絵里奈ちゃんが言った。
「では、お疲れ様でした」
そう言って、ペコリと頭を下げる。
…確か、絵里奈ちゃんも徒歩で通勤してるはずだよな。
俺はそれを思い出すと、手元の鍵を遊ばせながら言った。
「あれ、送ってくのに」
でも絵里奈ちゃんは首を横に振ると、
「いえ、それは結構です」
「え、そう?」
そう言って、「ではお先に失礼します」と言ってその場を後にしていく。
…なんか、俺嫌われちゃってんのかな…。
俺はそんな絵里奈ちゃんの後姿を見送ると、いつもの黒い車に乗った。
さ、帰るか。
しかし、そう思ったその時…、