2人だけの秘密。
「鏡子!?」
思わぬ展開に慌てて名前を呼び掛けてみるけど、携帯から聞こえてくるのは虚しい機械音だけ。
その直後、今度は俺から鏡子に電話をかけてみたけど、もう繋がることはなかった。
鏡子、助けてって言ってたよね。
え、どうしたんだ?何があったんだろう。
……とりあえず、鏡子のマンションまで走るか。
俺はそう思うと、すぐに車を発進させた。
…っと、その前に。
まだ近くを歩いている絵里奈ちゃんに、俺は車でゆっくり近づいていく。
横に並んだところで運転席の窓を開けると、絵里奈ちゃんに声をかけた。
「絵里奈ちゃん、」
「…はい?」
******
鏡子 side
体が、恐怖でガタガタと震える。
いったいどうしたらいいんだろう。
あれから部屋の奥へ押し込められたあたしは、なんとか必死で抵抗してトイレに隠れた。
トイレなら鍵がついてるし、一先ず安心だ。
でも……