【完】狂犬チワワ的彼氏
…だって、俺は今ストーカーに遭っていて。
で、そのストーカーはもう明らかに日向さんだし。
だから妃由と日向さんが仲良くなると………いや、すっげーヤバすぎる。
俺はそう思うと、やがて我に返って妃由に言った。
「妃由、」
「!」
「そいつから離れろ。今から俺と一緒に屋上行くぞ」
そう言って妃由の傍に行き、そいつの手を握る。
でも、
「えぇー、何で?酷いよ、拓海くん」
「!」
「離れろとか、そんなこと言わないで。理沙ちゃんが可哀想でしょ」
何も知らない妃由は少し怒るようにそう言って、口を膨らませて俺を見る。
いや、だから…わかれよ。
そういうんじゃなくて、
「そいつはっ…」
だけど俺が口を開いた瞬間、それを遮るように日向さんが哀しそうに言った。
「いいの、妃由ちゃん」
「!」
「あたしって…何でか嫌われやすいタイプなんだよねぇ。理由はわからないけど、拓海くんがそう言うのも仕方ないよ。
大丈夫、あたし慣れてるし」
そう言って、少し俯くように哀しい笑みを浮かべる。
…でも、その瞬間に見えたのは、そんな日向さんの不敵な微笑み。
それを知らない妃由は、心配そうに日向さんの頭を撫でた。