【完】狂犬チワワ的彼氏


真剣な表情で、そう頷いた。


直樹はもしかして、あたしが嘘を吐いているように見えるの?


そう思っていると、直樹が言う。



「いや、っつか、それはナイだろ。木塚に限って」

「…え」

「だってアイツは、女子にそこまでそんなこと言う奴じゃないし。

正直俺、木塚のイメージって“優しい”しかないけど」


「!」



直樹はそう言うと、「まぁお前が告った時のキモイって発言は、仕方ないけどな」って、言葉を付け加えた。

…だけど、何それ。“優しい”?

いや、それこそちょっと待ってよ!



「いーや!優しくない!ってか、直樹は今まで木塚くんの何を見て来たわけ!?」

「は?見て来たって…いや全然見てな、」

「ほらぁー!よく見たらわかるよ!絶対優しくない!あんなにカワイイ顔してるのに!」



あたしはそう言うと、またついムキになってテーブルをバシッと叩く。

でもあたしがそう言って怒っていたら、直樹がゲーム機をテーブルの上に置いて言った。



「…じゃあ、お前はどうなんだよ」

「?」

「お前こそ、木塚のことよく見てなかっただろ。見てなかったから、こうやって俺に相談してるんじゃんか」

「!」



そう言って、「違うか?」と問いかける。



「…それは、」

「…」

「………そうだけど」



そしてその問いかけに、あたしは少しだけ黙った後呟くように頷いた。

…確かにそうだ、直樹の言う通り。

あたしは木塚くんのこと何も見てなくて、見た目だけで判断していたのかもしれない。

でも、そう思っていると直樹が言った。



「…でもまぁ、確かに変だよな」

「?」


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