偽の愛などいらない

結月side




夢をみた。






父と母の夢







お酒を飲むと辛いことを思い出す。






あの日は怖いくらい晴れた日だった。







家族三人で遊園地に行った。







父と母は何時も仕事ばかりで久々の休みだった。






沢山遊んで、帰る途中だった。







お父さんがいつも寂しい思いをしている私に
ぬいぐるみを買ってくれると言った。






おもちゃ屋まで走ろうとした。







信号が赤だと気がつかなかった私。






「「結月!」」







父と母の声に振り向いた。







キキーと






クラクションの音。







私は父と母に思いっきり背中を押された。







「痛いっ!」







ハッとして後ろを見ると







血まみれの二人がいた。





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