救済をこの手に

新たな誓い

―長い夢を見ていた。
長い様で短い。
そんな夢…
確かに俺が抱いた理想は
仮染めだったのかもしれない。
だけど、その理想だけは譲れない。
穢させるわけにはいかない。
ジーさんとの誓いの言葉。
かつて衛宮切嗣と呼ばれた男に
衛宮士郎と名付けられた少年が
誓った言葉。
「正義の味方になる。」
大人になった今なら分かる。
全てを救う正義の味方なんて
成れる筈もない、と。
でも、誓った。
全てを救うのでは無く
大切な者達を救う為に正義の味方になると…
「士郎ー?」
俺を呼ぶ声がする。
昔話はこれでおしまい。
ここからは
歪んだ正義の味方と
たった一つの誓いの為に独りで戦い続けた
少女の話…
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