domino
 あの声が僕を説得するかのように話しかけてきた。
そして、剥がしたそれを喰った。剥がしては喰い、剥がしては喰い、剥がしては喰い続けた。口の中に何かが挟まった。長い指を使って口の中を探ると、ねずみ色のスーツの一部が出てきた。それを捨てると、また剥がしては喰いまくった。
 最後にはさっき捨てたスーツの端切れだけが残っていた。
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