domino
 それくらいに本当は踊り出したい気分だった。しかし、ここは“出来る男”を演じて二人を安心させたいと思い仕事の話を切り出した。僕の中では、女の人は“出来る男”を彼氏にしたいはず、そう思いこんでいたせいもあった。
 「では、プライベートな話はここまでにして、仕事の話に入りたいと思うのですがよろしいですか?」
 自分でも驚くくらい凛々しい顔つきだったと思った。しかし、彼女は僕のその言葉を聞いて少し寂しそうな表情を浮かべながら退室した。
 「お父さん、私行くね。」
 お父さんも少し寂しそうな顔をした。が、さすがと言うかすぐに社長の顔つきに変りただ一言答えた。
 「わかった。」
 彼女が退室するとすぐに僕は話し始めた。仕事の話は滞りなく進んでいった。話も終わり立ち上がった所で社長に呼び止められた。
< 213 / 272 >

この作品をシェア

pagetop