domino
信号で車が止まった。

 「男の人って、みんなそう言うんですよね。でも、本当の私を見た途端にどっかに行ってしまうんです・・・。」
 大きくため息をつきながらそう言った。僕を見つめているその瞳は今にも泣き出しそうだった。でも、気の利いた台詞一つ出てこない僕は、もう一度僕の中にある本当の気持ちを伝えるしかなかった。
 「さっきの言葉は本当に本当です。誓ってどこにも行ったりしません。鈴木さんがどんな人だろうと受け止めます。」
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