domino
60
 「なかなか良い感じじゃないか。」

 「そうね。これならうまくいきそうよ。」

 「そうだな。仲間は多い方がいい。」

 「失敗は許されない。注意しなければいけない。」

 微妙に声色の違うあの声が次々聞こえてきた。でも、その言葉の意味がわからなかった。それより今僕は生きているのだろうか、それとも死んでしまったのだろうか、そんな疑問だけが僕の頭の中をすごい勢いで過ぎっていた。
相変わらず目の前は真っ赤だ。あの声がたくさん聞こえてくるだけだ。
 以前にもこんな事があった事を思い出した。その時も何か言われた気がした。

 「仲間になろう・・・。」

 その言葉を思い出すと意識が途絶えさせられた。
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