発進受信
電波は・・・。

黄土色・・・「食欲」

やっぱり食いたいんじゃないか。

くるる。

可愛い腹の虫が鳴く。

「腹の虫」

ふるふると首を振る。

くるる。

「腹の虫の逆襲、再び」

ふるふる。

「ええい!面倒だ」

カツサンドを筑那美ちゃんの小さな口に思い切り入れる。

「・・・!・・・!」

苦しそうだ。

少し押すのを止める。

小さくハムハムと食べ始めた。

「食いたいが、貴族として誇りが許さないって感じか」

上目遣いでこちらを見てくる。

「食ったらさっさと席に戻りな」

俺にまで変な目で見られたら嫌だからな。

筑那美ちゃんは俺の机の中に手を突っ込むと、その場を去っていった。

机の中・・・。

財布!

急いで机の中に手を突っ込んでみると、ころころと転がるものが二つ。

なんだ?

飴玉だった。
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